一口馬主アプリ「DMMバヌーシー」のサービスが8月5日に始まりました。
既存の一口馬主ユーザーをメインのターゲットにしていないということですが、ネットなどの反応を見ていると他のクラブで一口馬主をやっている人は同サービスに対して冷ややかなようです。
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DMMバヌーシー高すぎ
サービス開始日に必要な費用と、実際のモデルケースが発表されました。
以下、参考までに貼っておきます。
来年からは、もっと安く出来るようにします。
JRA参戦『DMMバヌーシー』の「出資内訳」が明らかに! 画期的「返還システム」とその詳細とは | ギャンブルジャーナル | ビジネスジャーナル スマホ https://t.co/JCvyGT4yH0
— 野本 巧 (@takuminomoto) 2017年8月5日
情報料とシステム料
「運用管理預託金」にある「育成費」「厩舎預託料」「治療費」「各種登録料・輸送費その他」というのは、実際にかかってくる費用で、早期引退などの場合は状況に応じて返還されるのは当たり前のことなので、そこまは問題ないと思います。
「DMMバヌーシー」独自の項目となるのが情報料とシステム料です。
●情報料
『DMMバヌーシー』の特徴である近況動画や、馬の紹介VTR、厩舎紹介VTR、騎手や厩務員の紹介VTRの撮影、並びに撮影班の移動費などに割り当てられている。DMM.com証券側はこのサービスあってこその『DMMバヌーシー』としており、出資者には是非ともこの部分の出費を納得いただきたい思いが強いとのこと。
※「ギャンブルジャーナル」より引用
●システム料
「システム利用料」に関しては、『DMMバヌーシー』アプリやDMM.com証券の金融データベースシステム、バックシステムなどにかかる費用。現在募集馬が9頭と少ないため、1頭あたりにかかる「システム利用料」が初期はどうしても高くなる。だが、仮に募集馬が今後10倍の90頭になった場合、現在の費用の1/10の「システム利用料」になるなど、将来的に負担を軽くする方針を打ち出すようだ。
※同上
情報料は約1350万
実馬のモデルケースで情報料は、13,559,400円(約1350万)。
期間は2歳8月~6歳12月なので(53ヶ月)、1月約26万円弱が撮影費に当てられている計算になります。
ま、実際の制作費としてはそれくらいかかってもしょうがないなとは思いますが、出資者目線でいうと、そんなとこにそんなにお金をかけないでもいいんじゃないかという意見も出てくるのではと思います。
既存のクラブでも定期的に愛馬の情報は更新されますが、「DMMバヌーシー」の場合、それが毎回動画で届けられるとのことで、確かにそれは楽しいと思います。
ただ、2歳時の近況なんてそう代わり映えしないと思うので、百歩譲って最初の1頭はまあええとして、2頭、3頭と出資していった場合、いちいち週に4回もうれしがって見るかなという疑問は残ります。
そうなってくると、ここでそんなに徴収されているのがどうなのかって目線は出てくると思いますが、例えば出資馬がクラシックロードとかに乗るくらい順調に勝ち上がっていけばそれなりに近況動画は面白いと思いますが、確率からいくと大活躍する馬よりそうでない馬の方が多いわけで、そうなるとそんなに動画配信されてもみたいなことにはなる可能性はあると思います。
システム料は1700万
実馬のモデルケースでシステム利用料は、17,058,600円(約1700万)。
期間は2歳8月~6歳12月なので(53ヶ月)、1月約32万円が当てられている計算になります。
上の引用にあるように、現在は募集馬が少ないため、1頭あたりの単価が高くなっているけど、 来年以降、その数が増えるにつれシステム手数料は安くなる とのこと。
これはいいことだと思うんですけど、ひとまず現状の費用で考えてみます。
「DMMバヌーシー」を利用するには「DMM証券」の口座を開く必要があり、そうすることで小額の配当金でも手数料なしで分配できるというのがひとつの売りで、確かにこれはいいことだなと思いました。
しかし、実際には1月約32万円、1頭につき1700万ほどのシステム料を払ってるわけで、この金額はアプリの運用費も含まれているわけですが、「手数料なし」といわれている口座の運用費も少なからず含まれていることは事実のようです。
(もっというと、DMMからユーザーへの手数料はゼロかもだけど、ユーザーが実際にそのお金を引き出そうとすると手数料かかりするのとちゃうのとかも思ったりしますが)
販売手数料
モデルケースで上げられていたベネンシアドール2015(一口42000円、約4億2000万円)の販売手数料は90,103,104円。
え、9000万も・・・。もう一頭ディープインパクトの牡馬が買えるくらいの額です。
上記のように、 販売価格の約20%が手数料 になるようですが、さすがに高すぎるやろ!と思ったのは僕だけでしょうか。
(これに関しても「すでにJRAに提出した今年の事業計画の決定事項であるため、今回募集する馬に関しては20%としているが、今後はセレクトセール時の落札金額が大きい馬にはその割合を縮小する」そうですが、さすがにボリすぎって気づいたのかもしれません)
前に書いた下記の記事で、手数料は例えば3億7千万円のジェンティルドンナの全妹は4億くらいみたいなことを書きましたが、そんな甘いもんじゃないかったですね。
デニムアンドルビー級の活躍をしても赤字
上でも出てきたデニムアンドルビーの全弟ベネンシアドールの2015(一口42000円=総額約4億2000万)で、姉のデニムアンドルビーの賞金が現在(2017年8月14日)約3億7000万円。
ということは、デニムアンドルビー級の活躍をしても余裕で赤字ということになります。
一口馬主DBというサイトで各クラブの年代ごとの活躍馬を見てもらったらよくわかると思いますが、3億以上稼ぐ馬なんて各世代1頭出てきたらいいほうで、サンデーRとかキャロットクラブとかのトップクラブ以外はそもそもそんなに稼ぐ馬自体がめったに出てきません。
つまり、世代トップクラスの活躍をしても赤字なので、そもそもがムリゲーということですが、運営が言ってるようにそもそも投資目的ではするなということでしょう(・・・にしても、って感じではありますが)。
本当に1万円で馬主気分を味わうならノルマンディ?
採算に関係なく、馬主の感動を1万円から味わうというのが「DMMバヌーシー」のコンセプトです。
しかし、最初にラインナップされた募集馬を見ると、実際に1口1万円の馬は1頭(ワナダンス2015)しかしません。
そして、どう好意的に見ても、よけいな手数料やら費用などがかかりすぎているような気がします。
で、ほんとに1万円から馬主気分を味わいたいなら、ノルマンディーホースクラブの「スターズファンド競走馬チーム」に参加した方がいいのではと思いました。
ノルマンディーホースクラブでは通常400分の1口で競走馬を募集していますが、スタッフなどが募集馬4頭を厳選して「チーム」とし、それを1万口で募集するという企画があります。
3つのチームがあり、それぞれ5000円、6000円、10000万円の価格が設定されており、5000円のだと諸経費を入れても年間総費用が1万円かかりません。
もちろん、血統だけでいうと「DMMバヌーシー」のラインナップに全然かないませんが、4頭分の権利が得られますし、ビギナーとして低価格で十分に「一口馬主」の気分は味わえると思います。
別にノルマンディーの回し者でもないんでもないですが、個人的にそんな風に思いました。
(ちなみに、ご紹介したスターズファンド2016は全チーム完売したようです)
「DMMバヌーシー」の要諦
アプリの使用や募集場の購入にはDMM証券の口座開設が必須となっているようですが、DMMの組織全体からみたら、この項目がけっこう重要だったりするのだなと思います。
上のやつですが、バヌーシーから登録するより、2万キャッシュバックがあったりもするので、どうせバヌーシーするならこっちルートで登録する方がお得かもです。
このキャッシュバックのお金で一口いくのもいいかもですね。
まとめ
まだサービスが始まって1週間ちょっとですが、売れ行きはかんばしい感じではないようです。
これまで見てきた内容から考察すると、その結果も致し方なしと思ったりしますが、今後サービスがよくなったりすれば巻き返しはあるかもしれません。
僕自身のことでいうと、ネタ的に始めてみる可能性はゼロではありませんが、基本的に今のところは静観してます^^;