好きなテレビ番組がいくつかあって、なかでも欠かさずに視聴しているのが
「タモリ倶楽部」と「ドキュメント72時間」です。
で、後者の番組では毎年年末に「朝まで!ドキュメント72時間」という特番をやっていて、
その年に放映された番組のなかから視聴者のネット投票を元にランキングを作成し、
ベスト10を一挙に放送されます。
録画だけしておいたのをようやく観ることができたので、そのレポートです。
※画像元:NHK
ドキュメント72時間 | 番組内容
最初に簡単な番組の紹介をしておきますと、
毎回特定のある場所にカメラをすえ、3日間(72時間)
そこを行き交う人々の人間模様をドキュメントするという番組。
人々が行き交う街角に3日間カメラをすえてみる。
同じ時代に、たまたま居あわせた私たち。
みんな、どんな事情を抱え、どこへ行く?
上記は番組ホームページからの引用です。
基本的には同じ場所の定点観測になりますが、
今回のスペシャルでもランクインしていた「ゆきゆきて 酷道439」のように、
ロードムービー的に移動して撮影を行う回も稀にあったりします。
ドラマのようにつくられた美しかったり、劇的だったりする世界ではありませんが、
普通の人が普通に暮らす当たり前の日々や、みっともない姿、
その人たちがこれまでに抱えてきたバックグランドなど、
その一つひとつが面白く、魅力的であることを感じさせてくれる番組です。
よくこういった日常をたんたんと描く小説を評して
「何も起こってないじゃなか」と批判する人がいますが、
その人がいう「何も」は「劇的な恋愛話」であったり、「非日常的な殺人事件」であったり、
「波乱万丈の人生劇」であったりすると思うのですが、
そうじゃない普通の毎日もいろんなことが起こっているわけで、
「劇的な非日常」のエピソードももちろん面白かったり、興味深かったりするのですが、
「普通のことが普通に営まれていることの驚き」が個人的には面白く感じます。
(もちろん、そういった小説とかにもつまらない作品はありますが)
そんな志向だからドキュメント72時間が好きということでもなく、
誰が見ても面白い番組なんじゃないかなと思います。
あと、番組の最後に流れる「川べりの家」という松崎ナオさんの歌もいい感じで、
特別名作な回じゃなくても、なんかこれかかると泣いてしまいそうになります。
「京都 青春の鴨川デルタ」
好きな番組といいつつ、毎週録画して時間あるときに一気に観るというスタイルで、
実は毎週視聴していないどころか、昨年分はまだ5月分くらいまでしか観ていなかったりします。
そんな状況下で年末のスペシャルを見てしまったわけですが、
ベストセレクションの中で「京都 青春の鴨川デルタ」に登場した
同志社大学の学生さんが気になりました。
特に何をすることもなく、石の上にただ座っている。
スタッフが訊ねてみると、「鴨川デルタに卒業するまでに何時間いたかなっていうのを自分のなかで計ろうって決めて、今もそれをやっている途中」とのこと。
どういうことやねんというと、楽しいこともない、バイトもしてない、
京都で大学生らしいことっていったら鴨川デルタかなってことでここに来て、
ただここにいることを目的に、
入学時(4月1日)からここに来て滞在している時間を記録していると。
年末スペシャルで、彼はまだいているのかと再訪すると、
11月の夜の寒い鴨川デルタにやっぱり彼はいて、
放送時より大幅に滞在記録が伸びているにちょっと笑った。
(初回のときの滞在時間は2948分で、再訪時は13952分=約232時間で、160時間ほど増えている)
あまりにもアンニュイな感じで、「何にもないですよ」って感じの学生さんに
「今、二十歳くらいですか?」
「今、19です」
「可能性たくさんあるんじゃないですか。って、言われません?笑」
「僕が今可能性を潰してるってことですか?」
って、この返しもなかなかすごかった。頭は良さそう。
子供の頃から出会った特定の車の台数を数えていた学生さん。その車種とは?
再訪時のインタビューで、「ある車種を見た回数を小学1年生の頃からずっと数えてて、今10383台目です」
「何の車種なんですか?」
「言っていいんですか?」
「はい」
「マーチ」
ってとこ、爆笑でした。
てか、「言っていいんですか?」は商品名出せないNHKを慮ったんですかね。
この回のタイトルにもなってますが、学生さんも多いし、
鴨川はなんか「青春」って雰囲気によく似合いますね。
というわけで、ということもないけど、前野健太の「鴨川」をアップ。
四国の山奥に住むお婆ちゃん
あとは、2位にランクインした「ゆきゆきて 酷道439」に出てきたお婆ちゃんにほっこりしました。
何もないですが、とスタッフの帰り際にお婆ちゃんがリアルゴールドを渡す。
きちんとお礼に行くべきだ、という視聴者からの意見がちょっと面白かったですが、
実際にスタッフの方がお礼の果物を持って再訪。
「お時間あるんですか?」と相変わらずのお婆ちゃんの配慮が温かく、
お茶を出し、さらには裏山に登って大量にとってきたシイタケをスタッフにプレゼント。
倍返しされてしまうというオチもほのぼのしてよかったです。
ひとつ前に登場した薪風呂に入るお父さんも「跡継ぎがいない」って話をしてましたが、
こういった集落がそう遠くない日になくなっていく現実を思うと、ちょっと悲しいですね。
高知に移住したプロブロガーのイケダハヤトさんじゃないけど、
若い人たちが限界集落に移住し、こうした高齢者の方々と共存して方法はないものかと、
なんかそんなことも改めて考えさせられました。
取り上げた人以外にもいろいろ面白い人、印象的なシーンはいっぱい出てきたけど、
キリがないので今回はこのへんで。
録画だけして未視聴のやつがまだけっこうあるので、がんばって観て、
またレビューできればと思います。