タイトルの言葉は僕自身がそう感じたことなんですけど、そんなことを言うと「本の灯を消さない」「地域の文化を守る」と思ってがんばっておられる書店の方に怒られそうですが、個人的には「好きだからやってる」「楽しいからやってる」でいいんじゃないかなと。
もちろん、「好きで、楽しいからやってる」という側面もあるんでしょうけど、「しんどいし、労力と報酬がぜんぜん見合わないけど、文化を残すためにやってる」とか言うんだったら、普通に止めたらいいのにとはちょっと思います。
文化の灯を消さないために本屋がんばってる書店に感動しないワケ
冒頭書いたことは以前から思ってたことですが、記事にしようと思ったのは、つい先日発せられた一色文庫さんのツイートを目にしたからです。
古本の灯を消さないためにがんばっているわけではない。
地域社会に貢献しようとがんばっているわけでもない。
週一回、スナックに行くためにがんばっていました。スナック通いやめました。今後は皆様の笑顔を見るためにかんばります。
花冷え、寒い中ご来店下さりまして、誠にありがとうございました pic.twitter.com/HHiElzh9tE— 一色文庫 (@isshikibunko) 2018年3月20日
これを読んだときに、「本の灯を消さない」「地域の文化を守る」とか言ってる書店員の方より普通にカッコいいなと思いました。
もちろん、「地域のため、文化のため」がんばっておられる本屋さんはすばらしいと思うし、個人的に応援もしたいけど、やってる人が「儲からんけど、文化のためにやってる」と言ったりすると、じゃあ、他の儲かる仕事したらいいやんとは思ってしまいます。
その稼いだお金で、別の本屋さんで書籍を買うとか、いろいろなカタチで本や出版業界に貢献するやり方はあるわけだし。
やめても次の人が出てくる?
落合博満がFAで日本のトップ選手がどんどんメジャーリーグに流れていく現状を見て、心配する声をあげていた他の解説者か司会者に向かって、「大丈夫ですよ。また違うのが出てくるから」みたいなことを言ってました。
これは仕事でもなんでも一緒で、まあ100年に一人みたいな超天才とかだとまた少し話は変わってくるかもだけど、基本的に誰かが抜けたとしても、その穴は自然と埋まっていくもんです。
「俺が抜けたら、このプロジェクトチームは成り立たなくなる」とかいう自負は自惚れであることが多く、たしかに抜けられた当初はいろいろ大変なことも生じるかもですが、時間の経過とともに何事もなかったかのように平常に戻ります。
本屋さんもこれといっしょで、しんどいと思って止めても、すぐにじゃないくても若いやつでやってみたい!と思うやつはそのうちまた出てくるでしょう。
でも、誰がどんなことをやっても継続できない、本屋は経済的に成り立たないとなったら、それはもうしょうがないというか、時代の変遷とともにいろいろなものが消えていくのと同様に、どう抗ってもムリということなのかもしれません。
「好きだから、楽しいからやる」なんてやってないやつの言い草で、実際の本屋さんの大変さを全然わかってない!という意見もあると思います。
そういう大変さを乗り越えたうえで、儲からんけど文化を守るためにやっとるねん!ということかもしれませんが、何度も言いますが、それだったら止めたらいいんじゃないかなと個人的には思います。
がんばってる感を出されると引いてしまう
これは完全な個人的意見なんですけど、見出しのとおり、がんばってる感を出されると引くというか、ちょっと興ざめしてしまう傾向があり、これも「文化のためにがんばってる」とか言われると「うーん」となる要因のひとつかもしれません。
昔、とある討論形式のテレビ番組でAV女優が何十人と集まって、「そんな職業はダメだ。子供の教育にもよくない」みたいな意見が出たときに、「私は母子家庭で、この仕事で子供を立派に育ててきた」みたいなことを発言した女優さんがいました。
これに対してビートたけしが、「そう言われるとなんか萎えちゃうよな。楽しいからやってますくらいの方が見てる方がうれしいんだけど」みたいなことを言ってました。
これすごくわかる!と見ていた当時も思ったんですけど、プロなんだったら努力したりするのは当たり前だし、その背景にはいろいろな事情があるというのもわかるけど、そういった裏側の部分を前面に出すなよと。
仮にこのAV女優が他に稼げる仕事もなく、子供を養うために本気でAVの仕事やってたとしたらそれはそれで立派なことだけど、仮に本当にそうだったとしても、人前では「好きでやってます」「気持ちいいからやってます」みたいなことを言っておいてほしかった。
全然本質的なことをわかってないやつが、したり顔でしゃべってるのをみて、ついついむかついて本当のことを言ってしまいたい気持ちもわからんではないけど、それを言っちゃうと負けというか、こっちがバカと相手に思われて、下に見られてるくらいが戦いやすいというか、行動しやすいと思うんですけどね。
あとは美学的な問題で、サヨナラホームラン打った選手がヒーローインタビューで「いや、毎日寝る間も惜しんでバット振ってるし、人の何十倍、何百倍と努力してるんで、それが実りました」って言われるより、「いや、まぐれですよ」と照れ笑い浮かべられたほうが、僕は好きです。
プロの世界で結果を残そうと思ったら、努力しないといけないのは当たり前なんで、そんなことはまともな頭持ってる人はわかってるし、逆にいうと、そんな言葉に関係なく結果で判断されるのがプロでもあるわけですし。
これとまったく同じとはいいませんが、今の世の中で本屋さんの経営が大変なのはだいたいの人が知ってます。
本屋さんが好きな人は、極力本屋さんに足を運んで買おうとするし、出来る範囲内でのことにはなるけど、本屋さんを応援しようともしています。
(もちろん、amzonを使うことも普通にありますけどね)
なので、そこへ「街の文化が・・・」云々といわれると、個人的にはちょっと覚めちゃうかなって感じです。
てか、そういうことを言うから担い手が少なくなってんちゃうのとかも思うし、どっちかというと、本屋めちゃ楽しいですよ、儲かりますよ!ってことをアピールしてほしい。
いや、儲からんからそんなウソは言えんっていうことであれば、せめていかに楽しいかはもっとアピールするべきだし(楽しくないなら止めるべきですし)、儲かる方法も考えていけばいいんじゃないかなと外野の人間の僕なんかは思います。
持続可能な本屋さんのあり方を考える
実際に経営していないやつが勝手なことばっか言いやがってって思われるかもしれませんが、一応僕なりに考えた持続可能な本屋さんのあり方を書いてみます。
ちなみに、僕の敬愛する一色文庫さんは「完全にオワコンで、何をやってもダメな感じ」と自嘲ぎみに、半分冗談、半分本気でおっしゃっておられました。
近年の本屋さんの傾向では、イベントで集客、本位外の利益率の高いものも扱う(雑貨、服など)、後はコーヒーなど飲食などもやるといった感じのお店が多くなってきている印象です。
僕が考えたひとつの方法は、店主がアフィリエイトをするというものです。
アフィリエイトって何?って人は、「アフィリエイトとは」でググってみてください。
参考までに1つリンクを貼っておきます。
アフィリエイトはブログに記事を書き、貼った広告から商品なりサービスなりが購入されると成果報酬がもらえるというものですが、正しいやり方でやってると月5万とかは数ヶ月記事を入れていけば安定的に稼げるようになります。
僕の知っている人で、月50万以上を稼いでいる人は普通にいっぱいいますし、 月100万以上稼いでいる人も少なからずいます。
いきなり50万とか100万は難しいけど、月5万、10万とかは努力次第で普通にいけるので、副業としてはかなりいいと思います。
何より、 利益率が90%以上というのがアフィリエイトの魅力 で、自分の労力以外の経費は、最初に取得するドメイン代と月次のサーバー代くらいで、あとの報酬は全部純利益になります。
新刊の書籍だと利益率はだいたい20%くらいなので(1000円の本が1冊売れて200円の儲け)この利益率の高さは大きいでしょう。
また、本屋さんは基本的に本が好きな人がやっています。
本が好きな人は読書量も多く、読書している人は文章もうまいというか、少なくともまったく本を読まない人よりも言葉も知ってるし、書くことが苦じゃないと思います。
なので、その観点からも本屋さんはアフィリエイトに向いていると思います。
また、店番をしているときにお客さんがいなかったら、その時間を記事作成の時間に当てることもできます。
こういうことをいうと本屋さんに「いろいろやることがあって、忙しいんじゃ」と怒られそうですが、たとえば8時間の営業時間があったとして、8時間丸々なにかの作業をしているわけじゃないでしょう。
もし営業時間中まったく余分な時間がないって場合は、帰宅後に1時間でも2時間でも作業すればいいと思います。
しんどいわ!ってこれまた怒られそうですが、アフィリエイターの多くは仕事をしながらやってて、会社から帰ったあと、もしくは出勤前に早起きして記事を書いています(それで月100万以上稼いでいる人も知り合いにいます)。
アフィリエイトに乗り気じゃない場合は、自分のお店のブログを毎日書く。
ここで注意するのは、「日記」じゃなく、「コンテンツ」を作成するということ。
この違いを説明すると長くなるのではしょりますが、要は読んでいる人の役に立つ記事を書くって感じ。
(wordpressを使って、コンテンツを作成するのが難しい場合は、はてなブログとか発信力のある外部ブログ使うのもいいと思います)
ただ、本屋さんの店主というだけで「どこの馬の骨かわからん一般ユーザー」よりも読み手に訴求できるので、通常よりも「ユーザーの役に立つ」ことを意識せず、日々考えていること、お店であったあれこれ、自分の好きな作家やスポーツ、趣味なんかを書いてもいいでしょう。
そこにアドセンス広告を貼って、ある程度アクセスが集まってくるようになれば、それだけでも月に数万円は稼げます。
また記事を読んで、なんか面白そうと思ってお店に足を運んでくれる人も出てくるでしょうし、オウンドメディア的な広告の役割も果たしてくれるはずです。
なので、もし僕がやるとしたらアフィリエイトである程度稼げるようになって、本屋での実質的な売り上げがゼロでも回るようにして、趣味的に、それこそ「好きだからやってます」みたいな感じでやると思います。
その状況をつくって初めて、「人の交流する場をつくりたかった」とか、「文化の灯を消さないために、ちょっとでも役立つことができればと思って」ってことを言えるんじゃないかなと。
(そうなっても、そんなことは言わないと思うけど)
さいごに
いろいろな本屋さんを回って、そのなかで何人かの店主の方にお話をうかがってると、やっぱ最近では「本だけではしんどい」とのことで、「それ以外でどう稼ぐか」が大事なポイントになっています。
そうなったときに、初期費用ほぼゼロで、利益率が90%を超え、好きな時間に作業ができるってアフィリエイトはめちゃ理にかなってるんじゃないかなと個人的には思います。
ちなみに、アフィリエイトで脱サラし、フリーになって稼いでる人は引きこもりというか、家で一人で作業することが多いので、人との交流を求めてる人が多いです。
なので、そういう観点からも稼いでいるアフィリエイターで本好きの人が、売上度返しで人の交流の場として本屋さんをやればいいんじゃないかなと思ったんですけど、どうでしょうか。
理想は本屋さんがアフィリトで稼いで、お金の細かいことは気にせず、理想の本屋さんをつくるってことですが、そうしたら「しんどいけど文化のために」とか言わないなくても、自然と文化的な交流も活発になるんじゃないでしょうか。