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FODで見る動画「北の国から」連続ドラマ第3話。清吉が純に「負けて、逃げるんだぞ」と言い放つ

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第2話で、純が東京のお母さん(いしだあゆみ)に向けて書いた手紙を蛍に託し、それを出してこいといいます。

蛍はそれをもって町の方へ降りていくおわけですが、途中で手紙を川に落としてしまい、それを追いかけていくうちにコースをはずれ、迷ってしまいます。

 

夜になっても帰ってこない蛍を心配した五郎(田中邦衛)が、親戚に声かけ、みんなで探した結果、無事に蛍は帰ってきます。

で、二話のラスト、純が五郎に「僕が蛍に行かせた」という告白をし、「ぼくが悪い」と謝るとともに、「僕の体質には北海道はあわないと思われ、やはり東京があっていると思われ・・・」と東京に帰りたい心境を伝えます。

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「北の国から」連続ドラマ第3話

東京へ帰りたい純、東京に戻りたくない雪子

純は叔母の雪子(竹下景子)を介して、五郎に東京に帰りたい思いを伝える。

一方、雪子は雪子で、「北海道に住むつもりで来た」旨を五郎に伝える。

 

その背景には、雪子の恋人に奥さんがいたことがわかり、そこへプラスして堕胎手術もしてきたという重い事情があり、「東京からできるだけ離れたい」と語ります。

 

東京に戻りたい純と、東京から離れたい雪子。

対比、対立はドラマの典型的な手法ですが、この対比はすっと入ってくる感じでうまいですね。

どうしてもがまんできないですか

ある日の夜、みんながいる前で五郎が純に直接尋ねます。

居間に座り、鉈で木を切りながら、目も合わさず、話始めます。

「純君、どうしても東京に帰りたいですか」「・・・・・・」「え」「はい」「どうしてもがまんでいないですか」「はい」「そうですか」「すみません、でも・・・。お願いします・・・。ぼくは・・・。怒らないでください。お願いします」

「純君。父さん、怒っちゃいません」「すみません」「ただ・・・、悲しいです。今、とっても悲しいです」

 

この五郎の悲しみは、純が北海道になじめず、東京に帰りたいといったからではありません。

「帰りたいのは当然です。かまいません。ただ、そのことを直接父さんにしゃべることもせず、雪子叔母さんを通して言う君は・・・、卑怯です。とっても卑怯です。そのことが、父さんは非常に悲しいです

 

言葉はありませんが、純、蛍、雪子の表情が映されます。

人間らしいというか、子供らしいというか、純のズルさは当初から一貫して描かれていますが、ここもその象徴的なシーンのひとつですね。

(といって、純のことを否定的に描かれているわけではない)

東京での過去を語る凉子先生

純の東京に帰りたい騒動を受け、小学校の教員である凉子先生(原田美枝子)に五郎が相談すも「私にわからないですね。おたくの、それは問題なんですから」と冷たくあしらわれます。

 

ただ、後日やってきた五郎に前回の塩対応を詫びるとともに、凉子先生は東京で受け持ちの生徒に自殺された過去を語り、教師として自分が自信がないことを五郎に告白します。

 

ちなみに、この一回目の訪問のときに、「むしろ、別れた奥様の方ともう一度話されたらどうですか」という凉子先生の言葉をきっかけに、五郎の元妻であり、東京の美容室で働く令子(いしだあゆみ)のシーンに。

雄大な富良野との対比か、東京のシーンはケバケバしいというか、いかにも騒々しく描かれます(このシーンでは、令子の客のマダムが知り合いの奥さんの噂話をまくしたてています)

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「負けて、逃げるんだぞ」

結果、雪子といっしょに東京に戻ることになった純。

清吉おじさん(大滝秀治)に駅まで送ってもらった二人だが、電車を待つ時間駅前の喫茶店でちょっとした会話をします。

 

お気遣いなくといった態の雪子に、「見送りには慣れているから」と鷹揚に笑う清吉。

そして、六郷から出て行った(都会に逃げていった)かつての仲間の話をし、そいつらにこういったと続けて清吉がいいます。

「おまえら、いいか、負けて、逃げるんだぞ」「わしらを裏切って逃げていくんじゃ、そのことだけはようく覚えておけ」

 

重みのある言葉で、印象に残るシーンですが、 何も自責の念をもって東京に帰ろうとしている小さな子供に対してそこまで詰めんでもええでしょ って、ちょっとつっこみたくもなりましたw


蛍の名前の由来

この回で、蛍の名前の由来が語られます。

五郎は次のように語ります。

自分が昔この村を出たとき、家族の誰にもいわず、こっそり夜中に抜け出して、真っ暗の中富良野まで歩いた。そのころ、蛍がいっぱいいて、それが父さんにまとわりついて、父さんの前や後ろや、まるで行くなって言ってるみたいで、と。

 

「だから私に蛍ってつけたの?」とけなげに尋ねる蛍に、五郎は肯定も否定もしません。

続いて、「じゃ、お兄ちゃんは? 純って名前は?」と聞く蛍。「父さんじゃない。母さんがつけた」と五郎が答えます。

 

この回では東京に戻ろうとする純の思い、行動が中心に置かれていますが、片や北海道の、東京の暮らしからは考えられないような生活を断行しようとする五郎が、実は家族の誰にもいわず村を逃げ出そうとしていたというエピソードは、初めて見たときはちょっと驚きました。

そして、まとわりつく蛍が「行くな、行くな」と言ってるみたいというのは、東京に戻ろうとする純の行動とあわせ、なんだか切なく、象徴的でもあります。

出戻りの純と雪子

てか、第3話で純が早くも東京に戻るんかーと思ったら、この回の最後(上の五郎と蛍のやりとりの直後)、純と雪子が五郎と蛍のもとに戻ってきます。

そこには、電車に乗る直前の清吉の言葉や、電車に乗ったときの「本当は北海道に住むつもりで来た。それは今も変わってなくて、純を東京に送ったら、また戻ってくるつもりだ」という雪子の言葉が多分に影響したようです。

 

戻ってくんのかーい、とちょこっとつっこみつつ、戻ってきてくれてよかったみたいな安堵感もありつつ、第3話は終わります。

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