気軽に馬主気分が味わえる「一口馬主」。
その世界の魅力や気になるお金の話(儲かるのか、初期費用はいくらくらいなのかなど)を中心に、おすすめのクラブをご紹介したいと思います。
(※アイキャッチ画像:シルクホースクラブ)
一口馬主の分類・特徴
現在、日本には大小あわせて20のクラブが存在しています。
個別のクラブのカタログやWebサイトを見ただけでは客観的な特徴が掴みにくい面もあるかと思いますが、各クラブは大きく分けると・ 募集馬の仕入れ系統
・ 募集口数
・ 募集価格帯によって概ね分類することが可能です。その他にも募集時期、冠名の有無、血統傾向、サービス内容などにさまざまな特色があり、複数のクラブに入る意味もその多様性を満喫することにありますが、ここでは上記の分類軸を中心にクラブの種類を解説していきます。
※一口馬主DBより
「募集馬の仕入れ系統」には、牧場系とバイヤー系があり、前者は生産牧場が母体となって運営されているクラブで、後者はクラブがセリや庭先(牧場との直取引)などで馬を買い付けて提供馬を集めるタイプのクラブのことをいいます。
募集口数は、
- 40口募集
- 100~200口募集
- 400~500口募集
の3分類があります。
たとえば、4000万円のサラブレッドがいたとして、40口募集だと1口100万円、400口募集だと1口10万円ということになります。
詳しくこちらをご参照ください。
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おススメの一口馬主クラブ
お金を持っている人は、有無をいわさず社台TC(サラブレッドクラブ)、サンデーTCに参加してください。
いずれも日本のラブレット界を牛耳る社台グループのクラブで、これまでにダービーやオークスなどのクラシックをはじめ、ジャパンカップ、有馬記念など、多数のG1馬を輩出しています。
ただ、 社台TCもサンデーTC募集口数が40口 で、庶民にはなかなか手が出ません。
その分、出資馬が活躍したときのリターンは大きいです。
たとえば、サンデーTC出身のジェンティルドンナは募集価格3400万=1口85万で募集され、17億2602円の賞金を稼ぎ、もろもろ抜かれたとしても一人3000万以上の配当がいっていると思いま。
一方で、1口数百万の馬が1勝もせずに引退といったこともゼロではなく、ハイリスクハイリターンといえるでしょう。
(また、口数の少なさもありますが、人気のクラブですので、なかなか欲しいと思う馬に出資できないという問題もあります)
というわけで、一部のお金持ちの方は別として、なかなか初心者の方には勧めにくいので、ここでは下記の3つのクラブに絞っておススメしようと思います。
・キャロットクラブ(https://carrotclub.net/)
・シルクホースクラブ(https://www.silkhorseclub.jp)
・東京サラブレッドクラブ(https://www.tokyo-tc.com/top.html)
キャロットクラブ
・募集口数 400口
・牧場系(社台系)
天下の社台グループと提携するクラブで、400口と募集口数が多いので初心者の方でも始めやすいのが特徴です。
つまり、社台TCやサンデーTCでは高嶺の花となる 社台の良血馬たちが、比較的手が出しやすい1口価格でそのオーナーになれる というわけです。
実際にここ数年を振り返ってみても、ハープスター、ルージュバック、シンハライト、レイデオロなど、毎年のようにクラシックを賑わす馬を輩出しています。
当然のように人気で、近年会員数が激増。
毎年、募集の時期は良血馬を中心に応募が殺到し、 自分の出資したい馬に思うように出資できないのがマイナスポイント にはなると思います。
実際、自分が一口馬主を考えたときに最初に入会を考えたのがキャロットクラブでしたが、「争奪戦が大変」という意見はネット上でも多数見かけ、ひとまず控えたという経緯があります。
ただ、「最優先枠」で抽選がもれたら、翌年「前年最優先落選枠」が発生するなど(最大連続落選数は2年まで)、
少なくとも3年に1度は「最もほしい馬」に出資するチャンスを設けるなど、クラブとして善処はされているみたいです。
(そのシステムはかなり複雑で、詳しくは問い合わせるか、会員さんのブログなどを参照してください)
シルクホースクラブ
・募集口数 500口
・牧場系(社台系)
昔はブライアンズタイムの導入などで一世を風靡した早田牧場などと提携していましたが、数年前社台グループ傘下となり、キャロットクラブ同様、 社台の良血馬たちがラインナップされるように なりました。
募集口数は500口です。
社台と提携したことで近年会員数が増え、キャロットほどではありませんが(アーモンドアイをはじめ、ノーザン産の活躍場が多数出てきたことで、キャロットほどの人気になってきています)人気馬は大抽選会になっています。
優先は完全実績制で、要はたくさんお金を使っている人が優遇され、残りの枠を抽選にあてがわれます。
上述したように、自分のほしい馬を思うように指名できないからキャロットはやめてシルクに入ったわけですが、現状ではシルクも同じような感じになってきております・・・。
昔のシルクHCは、シルクジャスティス、シルクプリマドンナなどG1馬も出していますが、大半が中小の牧場生産場で、それらの安馬から当りを探すというのが醍醐味で、そんな昔のほのぼのした雰囲気がよかったというコメントもあったりましたが、良くも悪くもキャロット化している感じです。
ちなみに、競馬ファンのあいだでは、シルクが社台系になったとはいえ、あくまで社台TCやサンデーTCが本家で、大口系ではキャロットが主力、シルクはおまけ。
クラシックを嘱望されているような馬がここまで回ってくることはなく、逆になぜこの良血が!?っていうのがシルクで募集された場合、何かあると怪しんだ方がいいというのが定説になっています。
とはいえ、新生シルクになってまだクラシック優勝馬は出ていませんが、成績は着実に上昇しています。
(2015年度の募集馬は今まで以上に良血がそろい、いよいよシルクも来たか!みたいな雰囲気になってましたが、どうなるこでしょう)
※2019年4月追記
「最強世代」と募集時から噂されていた2015年産からアーモンドアイ、ブラストワンピースの2頭のG1馬を輩出。
僕が出資しているプリモシーン、インディチャンプも重賞を勝っているほか、他にも多数の活躍馬を出しています!
東京サラブレッドクラブ
・募集口数 400口
・バイヤー系
今回選んだクラブでは唯一のバイヤー系です。400口と比較的手が出しやすく、活躍馬もそこそこ出ています(社台生産馬もけっこういます)。
なにより、一部の馬をのぞいてキャロットやシルクのような 大争奪戦がないので、成長の過程を見ながら出資できるのが一番の魅力 かなと思います。
実は個人的なことをいうと東京TCを辞めて、キャロットに鞍替えしようと思っていたのですが、初年次に出資したレッドラウダが活躍し、辞めるに辞められなくなって継続しております。
一口馬主は儲かるのか?
まずは必要な経費についてみて見ましょう。
馬の購入金のほか、クラブの会費(だいたい3000円くらい)や毎月の管理費(口数によっても変わりますが、1頭につき1500円前後) がかかってきます。
G1とまでいかずとも、賞金の高い重賞などを勝ってくれるとすぐに元は取れますが、実際に一口馬主をやってみるとわかりますが、一勝するのや順調にレースを使い続けるのがいかに難しいことかが実感できます。
もちろん、最初の方に名前を出したジェンティルドンナのような馬に出資できれば、経済的にも大きくプラスになると思います。
しかしながら、基本的はそいういうのはレアケースで、未勝利のまま引退なんてケースも多いし、 一定のリスクがあることは意識しておいた方がいいと思います。
ただ、だからといってリスクがかなり大きいのかというとそんなこともありません。
今回取り上げた3つのクラブの勝ち上がり率を見ると、年度によって多少の上下はありますが、だいたい50%くらいです。つまり、 2頭に1頭は勝ち上がる わけです。
適当に選んでも2分の1ですが、今どきは一口をやっている人がブログで選評を書いてたり、クラブが検討会をしたりと、いろいろと参考になる情報も得られるので、よっぽど運が悪くない限り、 数頭選んで1頭も勝てなかった、デビューもしなかった、なんてことはないと思います わけです。
(ちなみに、僕は初年度の現4歳馬は8頭出資して5頭勝ち上がり、うち2頭は2017年1月現在3勝を上げています)。
なので、大きく勝つのはそう簡単ではありませんが、「トータルトントンくらいで愛馬の活躍を楽しみたい」くらいの心持ちだと全然現実的というか、けっこういい感じに楽しめてます。
厩舎は大切
馬を選ぶ判断基準としては、血統、馬体が何よりも大切です。
クラブから提供されるパンフレットや動画を見て、そのよしあしを判断するわけですが、競馬はブラッドスポーツといわれるくらい血統が大切で、その分野を研究すればするほど面白さが増していくと思います。
馬体や血統が基本ですが、意外と大事なのが所属先となる厩舎です。
馬が強ければ関係ないと僕も思っていましたが、実際にやってみるとレース選択や出走の頻度など、調教師によっていろんな特徴があり、ダメな人に当たると本当にフラストレーションがたまります。
あまり競馬に詳しくない人は誰がいいとかわからないと思いますが、ネットで検索すれば悪名高い調教師とかはすぐにヒットすると思うので、参考にしてみてください。
最大の魅力は?
わずか1口ですが、やはり馬主気分を味わえるのは楽しいです。
単に馬券を買っているだけだったら、たとえば本命にした馬が4着に負ければ、おいおいとなってそれでおしまいですが、愛馬だとその馬の状況にもよりますが、「ひとまず無事に走ってくれてありがとう」という気持ちになります。
また、各クラブによって多少違いはあると思いますが、年内くらいまでに出資が確定していると、 出資馬の名前を応募する権利が得られます。
まだ僕自身は経験ありませんが、名づけ親になったりしたら、より特別感が高まり、その馬への思い入れも高くなるでしょう。
あとはメインレース、特にG1とかに出走してくれたら、それだけでうれしいと思います。
一口馬主用のブログではないので毎週レース結果を載せるとかはしませんが、また機会があれば、愛馬のことについてもどこかで触れられればと思います。
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